2025.10.03
【ようこのくじら通信 10月号】前向きな行動を生み出すには…
さて、本日も人と人との関係性とウェルビーイングについてのお話です。

職場で「自分から積極的に動ける人」と「指示がないと動けない人」では、成果に大きな差が出ます。
では、その違いはどこから生まれるのでしょうか。
アイルランドの最新の研究では、看護師を対象に、個人の人間関係やチームの雰囲気がどう影響するかを調べました。
すると、良い人間関係の経験や、チームの中での円滑な連携があるほど、スタッフは主体的に行動しやすいということが結果として見えてきました。
さらにその背景には、「自分は幅広い役割をこなせる」という自信や、「このチームなら意見を言っても安心だ」という雰囲気が関係していました。
つまり、積極性は本人の性格だけではなく、周りの人との関わり方や職場の空気によって大きく左右されるのです。
特に医療現場のように安全が重要な職場では、個人の行動がチーム全体のニーズと合致することが不可欠だとわかりました。
「安心して声を出せる雰囲気づくり」や「互いを認め合う関係性」は、
組織にとって単なる“心地よさ”ではなく、前向きな行動を生み出す力の源泉なのです。
職場における良好な人間関係が積極的行動に与える影響:多段階研究 The impact of positive work relationships onproactive behaviors: A multilevel study
Jennifer B. Farrell(リムリック大学、アイルランド), Patrick C. Flood, Gerard P. Hodgkinson, Steven Kilroy, Wladislaw Rivkin, Karoline StraussApplied Psychology,2025/9/19
榊原陽子でした。

