2026.07.08
【ようこのくじら通信 7月号】『関係性負債』、溜まっていませんか?
さて、本日も人と人との繋がりを資産に変える「関係性資本経営」と、ウェルビーイングについてのお話です。

最近、蒸し暑さや忙しさで心に余裕をなくし、職場に「関係性負債」が溜まっていませんか 。
私はかつてANAでチーフパーサーをしておりましたが、
現場で痛感したのは「安全を守るのは、個人のスキルではなくチームの良好な関係性」だということです 。
実は航空業界は、人間関係の不全が重大な事故を招く教訓から、世界で最も早く関係性をシステム化した業界です 。
1970年代までの航空事故の多くは、過度な上下関係や忖度から、
機長のミスに周囲が「それは違います」と言い出せない空気(関係性負債)が原因でした 。
この教訓から生まれたのが、お互いを尊重し適切に主張し合う「CRM」という訓練です 。
この「言いたいことが言える関係性」や、ミスを隠さず報告できる文化は、
現代の組織経営でも、その重要性は変わりません。
関係性資本が豊富なチームは、小さなリスクやインシデントを即座に共有して重大なトラブルを未然に防ぎます 。
逆に、上司の顔色を窺って守りに入ると、
必要な報告や新しいアイデアという知恵が目詰まり(滞留資産)を起こしてしまいます 。
医療現場の多職種連携を数値化した「関係性調整」の研究でも、
上司と部下の間で「相互尊重」や「頻繁なコミュニケーション」がある病院ほど、
エラーが減り患者さんの回復スピードが上がることが証明されています 。
「もっと成果を出さなければ」「ミスを無くさねば」と肩肘を張るよりも、
「お互いの声を聴くほんの少しのゆとり」を持つことが、結果としてチームを元氣に強くするのかもしれません。
榊原陽子でした。

